CRF250RのフロントフォークOHをしておりました。

この車両、結構前の記事で紹介した腰上OH中だったCRFです。

腰上OHは既に終わってましたが、今回はフロントフォークのオイル漏れにより、OHをすることに。作業途中は省略しますが、どんどんフロント回りを外していき、とりあえず一旦全部分解します。

 分解した写真を見て、あれ?っと思った方もいるかもしれませんが、この車両のフロントフォークはスプリングが入っていません!

この車両の車両CRF250R(レース車両)のフロントフォークは「SFF-AIR(TAC)」という名前(separate function front fork Air)で左フロントフォークで反力を発生させ、右フロントフォークで減衰力を発生させる構造になっております。

左フロントフォークは金属製スプリングを廃止し、エアを封入することで反力を得ていて、金属スプリングを交換することなく、エア圧・オイル量の調整によって、細かなセッティングが可能です。

右フロントフォークはオイル室を2つ設けて、コンプレッション側・リバウンド側の減衰力を発生させています。

名前のTACとはtriple Air Chamberの略で左フロントフォークは3つものエア室を設けているのです。
全部分解し、綺麗に洗浄し、組付けていきます。    

組付け後は、それぞれのエア室にエアを入れ、完成です。

※ちなみに3つあるエア室に入れるエア圧ですが、1つのエア室に約1200kPaも入れます。

 参考までに大型バイクの前タイヤの標準エア圧は約230kPa〜250kPa程。
 しかも、フロントフォークのエアは手動ポンプにて入れなきゃいけないんです!!
 上の最後の写真の左側にある黒いのが手動ポンプです。
 そして最後は車両に組付け、洗車をし、あとは外装を組むだけです。

 当然なことですが、レーサーは、かなり大変です。